すべての内見を終えて ~選んだ決め手とは~

短期間で5件の中古物件を実際に見てきました。
インターネット上の情報から目星を付け、実際の物件から構造上の問題点がないかのチェックを行う。
内見して得られる情報からこれまでの考えを覆すこともあり、その重要性を改めて知ることになりました。
その結果、購入予定の中古物件を1件に絞り込みました。
今回は、内見した複数の物件から購入を決定付けた "決め手" についてお話します。
事前情報と内見して得た情報

空き家バンクや物件検索サイトの情報にて、中古物件の現状を知ることができます。
その情報が "すべて" ではないことは理解しているつもりでしたが、実際に物件を見てみると掲載される情報は一部にすぎないと改めさせられます。
サイト内では掲載する情報量に限りがあるため、事細かに現状を書き記すことは難しいです。
そのため、担当者が伝えきれなかった情報を内見を通して把握することができます。
また、担当者が見落としている(あえてサイト上に掲載していない)情報も発見できます。
この内見でしか得られない情報はとても重要であり、購入するための決断を大きく左右することがあります。
私の場合でいえば、事前情報にはなかった建物の傾き具合を内見時に知り得たため、購入意欲が薄れたこともありました。
その反対に、ちょっとした『発見』が物件購入の動機になる場合もあります。
「欲しい」と思わせた決め手
事前情報および内見した結果から下記の中古物件を選び、購入に至りました。
物件検索サイトから好条件の中古物件を見つけ、内見時の構造的なチェックもクリアしての結果です。
それだけでも購入する動機としては十分ですが、実際に物件に触れることで得た『発見』も動機の一端になりました。
売りが『災害に強い土地』

事前情報の段階で本物件が高台にあることは分かっていました。
それから内見時に立地している地域を散策してみて理想的な高台であることを実感しました。
また、同行した不動産屋さんの話により『災害に強い土地』であることを新たに知りました。
高台に建つ物件であるため "洪水" に強い土地だと満足していましたが、地盤の関係上 "地震" にも強い土地であると後に知りました。
それは「嬉しい誤算」でした。
広めの庭と土地に根付いた樹木

庭の広さも売りの一つであったため、実際に見るまで楽しみにしていました。
一人で管理できないほどの広大さではなく、採光のためだけの小さな庭ではない。
「程よい広さ」というのが初見の印象です。
新築物件の庭であれば植えたばかりの細々とした若い木々が目につきますが、そこは数10年の歴史ある中古物件。
木々の幹は太く、しっかりと根が張った立ち姿は堂々とした佇まいです。
庭の広さが "決め手" ですが、それに加え樹木から感じられる『歴史』も気に入りました。
違和感を感じない階段の勾配と踏面

本物件と同時期に建てられた建物の多くに共通することですが、階段の勾配が急であり踏面(ふみづら)の幅も狭く、昇り降りの際に足を踏み外しそうになります。
今回内見してきた物件にも同様の階段が見られましたが、本物件の階段は自然な感じで昇り降りができました。
階段の勾配に違和感はなく、踏面も意識することなく踏み込むことができます。
どのような階段の状態でも、慣れてしまえば問題はないかもしれません。
しかし、永く生活することを考えると、妥協せず納得した環境で暮らしたいです。
そのこだわりが "穏やかな生活" を送ることに繋がると考えています。
視界が広がる吹き抜け空間

玄関を入ったエントランス。
内見時に最初に驚いたことは、エントランスが吹き抜けになっていることでした。
築40年の中古物件であったため、"吹き抜け空間" といったモダンな造作があるとは想像もしていませんでした。
事前の情報にもなかったため、これは「嬉しい誤算」でした。
日常生活において自宅で "縦" の空間を意識することは少ないと思います。
しかし、この物件では玄関を出入りする、または階段を昇り降りするたびに "縦" の空間の広がりを意識します。
それが日頃の生活にちょっとした贅沢感をもたらします。
気に入った物件は予算オーバー

当初、中古物件の購入に掛ける金額は500万円ほどと決めていました。
自己資金の残りは、当面の生活費や制作活動費に充てる予定で内見を行ってきました。
しかし、気に入った中古物件の価格は690万円。
諸経費などを加えると手持ちの資金ギリギリの金額。購入後の予定を考えるとかなり厳しい状況でした。
"ダメもと" で物件を掲載している不動産屋さんに値引き交渉。
『現金一括払い』が私の強みだと考えていたため、駆け引きすることなく現状の説明と値引きについて相談するメールを送りました。
その翌日には返信があり『650万円』まで値引きが可能とのこと。
それでも当初の予定より150万円ほどオーバーしており、大変悩んだことを憶えています。
メールでのやりとりにより、交渉相手の不動産屋さんとは更なる値引きも可能ではないかと画策。
そして、内見のため現地へ。
事前情報にない欠陥があれば、それを交渉材料に再度値引きを持ちかける予定でした。
しかし、事前情報以外に目立った問題もなく、それどころか購入意欲をそそる『決め手』が加わりました。
"一目惚れ" の状態で内見を終え、再度の値引き交渉の件も忘れている始末。
別の記事でも書きましたが、この中古物件には先客がおり『現金一括払い』の強みがあっても購入の申し込みができない状況でした。
先客がいることで購入を諦めていましたが、突然のチャンスに予算オーバーであるにも関わらず衝動的に申し込み。
諸経費やその他を加え、総額約700万円で購入しました。
手持ちの資金も底を尽きかけ、購入後の予定も狂いましたが、現在では貯金も幾分か回復。
当初の予定通り、当面の生活費や制作活動費に充てています。
購入から2年近く経った現在、予算オーバーの中古物件を手に入れましたが、後悔することは一切なく「良い買い物をした」という思いしかありません。