2024年 4月27日(土)
作成日:2021-02-21

家賃26500円の東京暮らし① ― 住環境 編

安アパートのイメージ画像

家賃の安さに魅かれ、数分程度の内見で即決。

東京で物件を探し始めてから1日で衝動的に契約しましたが、暮らしてみるとあらゆる面で好条件の物件であることが分かりました。

また、"安い物件には問題が付き物" と疑っている方も少なからずいると思います。

今回は、都内3万円以下の賃貸アパートに暮らしてみて分かった利便性や住み心地についてお話します。

生活圏 ~立地・環境~

通勤するには抜群の立地

山手線のイメージ画像

最寄り駅まで徒歩10分。

そこから山手線へ乗り換えるための駅に到着するまで10数分ほど。

この家賃の額で、しかも通勤・通学するのにこれほどの好条件が揃っている賃貸物件は極めて珍しいです。

また、自家用車がなくても電車を利用して商業圏へアクセスすることで仕事から遊びまで大抵の用事が済ませられます。

生活するにも好立地

スーパーマーケットのイメージ画像

最寄り駅までの徒歩10分圏内にて、食料品や日用品、家電製品に衣料など生活していくために必要なものが揃います。

また、駅近くの大型デパートや庶民的なスーパーなど幅広い客層が利用できる環境でもあります。

八百屋や鮮魚店など生鮮食品を専門的に扱う店舗もあり、レトロな雰囲気を残している地域もあります。

都内に17年暮らしてきましたが、このような環境のおかげで何かと物価が高い都内でも無理せず生活することができました。

住んでみると困らない風呂なし物件

銭湯のイメージ画像

この賃貸アパートは各部屋に浴室が完備されていないため、銭湯やコインシャワーの利用を余儀なくされます。

コインシャワーは、アパートから徒歩1分もかからない場所にありました。
具体的な金額は憶えていませんが、数分利用するために200~300円はかかったと思います。

私は時間制限付きのコインシャワーより、460円(移住直前当時)支払えば時間を気にせずゆっくりと入浴できる銭湯を利用していました。

東京都内では年々銭湯の数が減少していますが、私が住んでいた地域は幸いなことに徒歩圏内に数ヶ所営業していました。

時間も25時まで利用できたため、遅く帰宅しても疲れを癒すことができました。

賃貸アパート ~共有スペース~

この賃貸アパートの築年数はかなりのものでしたが、定期的なメンテナンスや大家さんの日頃の清掃もあってきれいな状態が維持されていました。

アパートのドアを開けると、右手に2階へ上がる階段、中央に狭い廊下がありその左右に各部屋のドアが並んでいる造りです。

トラブルを未然に防ぐためか、入居者はすべて男性でした。

不便な共同トイレ

和式トイレのイメージ画像

本賃貸アパートの特徴の一つですが、共同トイレを設置しています。

1階には2つの和室トイレがあり、先着順での利用になります。
2つとも埋まっていている場合は、2階のトイレを利用することになります。

また、トイレを使用中にドアノブを勢い良く回されることもよくあることです。
ドアの施錠を忘れると大変なことになります。

共同トイレであるにも関わらず、大家さんや業者が定期的に清掃していたため清潔に利用することができました。

室内の換気は廊下へ

狭い廊下のイメージ画像

汚れた空気の換気といえば、一般的には室内から建物外へ換気扇などを使って空気を送り出すものですが、このアパートはそれとは異なっています。

各部屋の入口上部に15cm四方の穴が開いており、そこから汚れた空気が換気されます。

料理を行えば、その穴から臭いや煙が廊下へ流れ、開け放たれたアパートの入口へ汚れた空気が抜けます。
当然、アパートの入口が開いていなければ臭いや煙が廊下だけではなく、各部屋へも充満します。

このアパートを借りる前に大家さんが私に確認した「油っぽい料理はしないか」というものは、このことを懸念してのことでした。

また、各部屋にある換気用の穴は塞ぐことはできず、夏場は蚊の通り道になり、冬場は外気が直接入るため寒さの原因になっていました。

廊下にあるゴミ収集場所

ゴミ収集場所のイメージ画像

2階へ上がる階段下に大きなポリバケツが2つ設置されています。

各自がここへ生活ゴミを捨て、ゴミ収集日に大家さんが近くの収集場所へ捨てに行くというのが決まりでした。

入居して1年ほどはこのようにゴミを捨てていましたが、大家さんが体力的に厳しいということでこの決まり自体廃止になりました。

それからは、各自によるゴミの仕分けと収集場所へ捨てに行くことが新たな決まりになりました。

大家さんがゴミを捨てに行くことがなくなったため、毎月の家賃から500円引かれることになりました。
(正確には雑費2000円が1500円に。支払う金額が26500円になりました。)

各自のゴミ捨ては当然のことであるため、値引きする必要はないと個人的には思いました。

その出来事だけでも、大家さんの人柄がよく表れています。

生活空間 ~四畳半の部屋~

個室のドアを開けると、半畳ほどの土間があり、その奥に四畳半の畳間。土間の右隣には造り付けの押し入れがある簡素な造り。

最奥にある大きな引き違い窓と高い天井、それらが四畳半であるにも関わらず圧迫感を感じませんでした。

1つしかない窓

大きな窓のイメージ画像

東側に面した大きな引き違い窓。
午前中は日光が部屋の奥まで差し込み、目が眩むほど明るい。

冬場は一時的に暖を取ることもできますが、夏場は強烈な暑さをもたらします。

このアパートはエアコンといった冷房設備がないため、夏場は扇風機が必需品です。

熱中症の関係もあり、大袈裟ではなく扇風機の有無は生命を左右する一大事になります。

しかも、窓が1つしかないため風通しが悪く、対面する玄関ドアを開けないと空気が流れません。

ドアを開けることにより、廊下を歩く住人の目が気になったり、蚊も侵入してくるという問題もありました。

また後年には、大家さんが敷地内を有料駐車場として貸し出したため、1階の部屋は自動車の排気ガスに悩まされることになりました。

車が駐車する際は、一時的に窓を閉め、排気ガスが入り込まないようにする手間が増えました。

狭いが自炊可能な調理スペース

ステンレス製シンクのイメージ画像

部屋入口にある半畳ほどの土間に併設されたキッチンスペース。

およそ幅80cm×奥行35cmの木製の台上をステンレス板で覆ったシンプルな造り。
左半分に1口コンロがあり、右半分がシンクになっています。

1口しかないコンロですが、簡単な調理であれば問題なくこなせます。

一時的にコンロを移動する必要はありますが、まな板を置けば食材の仕込みも可能です。

シンクでは、食事の準備や後片付けのほか、洗濯場としても利用していました。

薄い壁による騒音

騒音のイメージ画像

隣人の生活音には慣れるまで苦労しました。

両隣の壁が薄いため、テレビの音漏れは日常茶飯事ですが、会話もはっきり聞こえるものでした。

天井も薄いため、足音や重い物を落とす音が響き、その音にびっくりすることもしばしばでした。

また、階上の住人が飲み物や調味料をこぼし、それが天井から降ってきたこともありました。

私も例外ではなく、テレビや音楽などの音漏れで迷惑をかけたと思います。

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