2024年 4月20日(土)
作成日:2021-06-01

新築住宅にはない中古住宅の魅力 ~オススメするポイント~

新築・中古住宅のイメージ画像

「夢のマイホーム」を語る際、大抵の方は新築住宅をイメージするのではないでしょうか。
現実的には予算の都合により新築住宅の購入は厳しく、妥協して中古住宅で落ち着く方も多いと思います。

中古住宅の最大の魅力は、同規模の新築住宅に比べ価格が安いこと。

しかし、中古住宅の購入は新築住宅の代替案ではなく、メインに考えてもメリットはあります。

今回は、その良さを理解した上で実際に購入した私が考える中古住宅の魅力についてお話します。

新築住宅にも不安要素はある

私の場合、住宅ローンの選択肢はなく、これまでに貯めた自己資金に見合う中古住宅を探し購入に至りました。

自己資金が潤沢であれば、私も新築住宅を購入したでしょう。それだけ "真新しい家" は魅力的です。

最新基準の耐震対策が施され、キッチンやバスルームなどには最新の設備を導入。
注文住宅であれば、設計の段階からこだわりの部屋や間取りを取り入れ、独自性の高い建物になります。

これまでに思い描いてきた理想を予算内に詰め込めることが新築住宅の最大のメリットではないでしょうか。

しかも、新築住宅は売却する際も高値で売れるため、今後の資産としても活用できます。

このように良いことだらけの新築住宅ですが、不安要素も存在します。

『欠陥住宅』である可能性

新築住宅の鍵を受け取り、新品のドアを開け、建物内に足を踏み入れる。
真新しい内装の空間、これからの生活に胸を躍らせることでしょう。

施工関係者が雑に扱わない限り、床面や壁面または天井など視界に入る範囲内に傷や汚れといったトラブルの原因を残すことはありません。

外装および内装といった "目に見えるところ" は新品そのものです。

しかし、決められた予算の中から必要以上の利益を得ようとする悪質な業者により、安価で粗悪な部材が使われたり、極端な工期短縮による『手抜き工事』が行われていた場合、"目に見えるところ" に対して分かりやすく手を抜くでしょうか。

悪質な業者とはいえ、相手はプロ。
(利益追求のみでプライドのない仕事を行う業者を "プロ" と呼ぶには疑問ですが。)

欠陥住宅のイメージ画像

"目に見えるところ" はしっかりと仕事を行い、天井裏や床下などの日常生活では目に触れない、素人では判断しにくい建物の構造部分に問題を残すはずです。

建てられてから数年は快適でも、その間にゆっくりと建物が傾いてきたり、天井や壁から雨染みや雨漏りが発生し、それを起因としてシロアリ被害へと発展する。
見えない箇所から徐々に被害が拡大し、気が付いたころには多額の修理費用が発生するまでに悪化していることも考えられます。

住宅完成直後、天井裏や基礎部分、柱などの構造部分を入念に自身の目で確認する購入者はほとんどいないのではないでしょう。

いくら新築住宅とはいえ、欠陥部分が隠されている可能性が万が一にも残されています。

予期せぬ自然災害に遭うことも…

洪水のイメージ画像

昨今のゲリラ豪雨といった異常気象から、専門家でも予想できない自然災害が発生しています。

自然災害が発生した場合も考慮して土地を決め住宅を建てるも、予想を上回る雨量により洪水被害に遭う。

将来、あり得ない話ではありません。

この予想できない災害による被害は新築住宅に限らず、中古住宅でも同様の被害に遭う可能性は十分にあります。

しかし、築数10年経過した中古住宅はこれまで大小様々な地震や大雨を経験しており、現在まで耐え抜いています。
その『実証結果』をいう安心材料を考慮して購入できることは中古住宅のメリットともいえます。

一方の新築物件は、事前に災害によるシミュレーションを考慮して購入を決めたとはいえ、これから経験することになります。
最新基準および設備を有している災害に強い建物とはいえ、先の欠陥工事により大きな被害に発展する可能性もあります。

もし、自然災害に見舞われても火災保険や地震保険といった補償により建物への被害はカバーされます。

住み慣れた我が家が自然災害の被害に遭うことは精神的にショックであり、建物の現状が回復するまでの期間、不自由な生活を余儀なくされることも考えられます。

新築・中古問わず、予期せぬ自然災害による被害は金銭的にも精神的にも耐えがたいものがあります。

中古住宅の魅力とは?

魅力① 物件価格の安さ

物件価格のイメージ画像

『中古住宅は安い』
真っ先に挙げられる魅力です。
ただし、「安い = 粗悪な建物」ではありません。

築数10年も経過すれば、壁面や床面そして天井などにも傷みが目立ち、使用されている設備も古いものになります。

そのため、中古住宅の古さやそのような傷み具合から「粗悪な建物」と位置付ける方も多いのではないでしょうか。

私が中古住宅選びにおいて重要視するポイントは、こうした "目に見える" 表面上の問題ではなく、"目に見えない" 構造部分がしっかりしているかという点です。

極端なことをいえば、構造的にしっかりとした建物を安く購入し、壁・床・天井をすべて取り払い新しい建材で組み直すことで新築住宅のような内部空間にすることも可能です。

また、いくら中古住宅が安いとはいえ、手を加えることが容易ではない構造部分(柱や梁、基礎など)の傷み具合によっては改修費用も含めると割高になる場合もあるので注意が必要です。

私が購入した中古住宅は築40年以上の木造住宅であるため建物にはほとんど価値がなく、ほぼ土地の値段のみで売り出されていました。

しかし、建物の梁や柱、基礎部分がしっかりしているため構造上問題はなく、物件価格の割には広い間取りであったため一目惚れして即購入しました。

魅力② 税金も安い

税金徴収票のイメージ画像

持ち家を取得することができれば、毎月の家賃を支払う必要はなくなります。

ただし、"固定資産税" や "都市計画税" といった税金の支払いが発生します。

新築・中古問わず、不動産(土地・家屋)を所有する者が毎年支払うものになります。

我が家の場合、2つの税を併せても年間4万円弱の金額です。家賃のように月額で換算しても、4000円未満の金額です。

この税額は、建物や土地の広さから考えると比較的安い額になります。

それは、建物の築年数が40年以上であり、その資産価値が低いと判断されたため税額にも影響した結果です。

毎年の税金が安いことは助かるのですが、中古住宅にはメンテナンスや改修のための費用がつきまといます。

家賃を支払わず税金も安い分、万が一のトラブルに備え日ごろからの貯蓄は欠かせません。

魅力③ 自然災害に耐えてきた

台風のイメージ画像

先にも話題に上がりましたが、築数10年経過しても建物が存在しているということは、長年の風雨や風雪、地震や台風といった自然災害を乗り越えてきた証です。

購入を予定している中古住宅の立地から、自然災害に強い土地であるかを調べ、過去の記録からどのような災害に耐えてきたかの情報を事前に得られることは魅力ではないでしょうか。

もし、欠陥工事が行われていたとしても永い年月と先の自然災害により被害が表面化し、購入前にその程度を知ることができます。

また、数10年経過することにより、軟弱な地盤に改良工事が施された土地であったとしても建物の加重により地盤が安定し、地震に対するリスクが軽減されます。

ただし、物件購入後も自然災害に耐えうる保証はないため、建物のメンテナンスや改修にかかる費用の負担を考慮する必要があります。

最新基準に準拠した耐震補強工事を施したり、外壁や屋根などのメンテナンスを行うことは建物の寿命を延ばすことに繋がります。

中古住宅を購入する際、自然災害や地質が及ぼす影響について考えてみた下記の記事も参考になります。

魅力④ 改装する楽しみ

ペンキ塗りのイメージ画像

注文住宅とは違い、間取りを自由に変更することは難しいですが、しっかりとした躯体(梁や柱など)をベースに部屋を作り変えることはできます。

中古住宅であるが故、壁面や床面そして天井などに傷みが目立つのであれば、それを自分好みに改装することが楽しみになります。

また、既存の梁や柱は経年変化により味わい深い色味や質感になっており、それを壁裏や屋根裏に隠さず露出した空間にすることも可能です。

古い年代の建物であれば、梁は真っ直ぐな集成材ではなく、曲がった無垢材が使用されている場合もあるため、その個性的な存在感を楽しむこともできます。

リフォーム業者に完成イメージを伝えて改装するも良し、自分自身の手で部屋を改装するも良し、大胆に手を加えられる醍醐味が味わえるのも中古住宅の魅力です。

魅力⑤ 重厚感のある庭

重厚な庭のイメージ画像

新築住宅の庭を見てみると、植えられたばかりの細い幹の木々やまばらな植生ですが、これはこれで今後の成長が楽しめる庭です。

それに対し、中古住宅の庭は数10年という時間が経過している分、木々の幹は太く、しっかりと根が張った立ち姿は堂々とした佇まいであり、その土地に根付いた歴史が感じられます。

この重厚感のある庭は、永い年月が生み出せるものであり、中古住宅にしかない魅力です。

鳥のさえずりで目を覚まし、堂々たる立ち姿の木々や花々に朝露が輝いている庭。
朝起きて自宅の庭を眺めると「今日も一日頑張ろう」という気分になります。

最後に

私は非正規雇用のように給料が安定しない方こそ、マイホームを持つべきだと考えます。

マイホームを持つことにより "毎月家賃を支払う" という義務から解放され、『衣・食・住』の『住』の問題を解消することで生活にゆとりが生まれます。

そこから自身の働き方や半生を見つめ直し、新たな生き方をスタートさせることも可能になるため、マイホームの購入を勧めます。

「給料が安定しないこと」と「マイホームを持つこと」は矛盾しているように聞こえますが、中古住宅であれば価格が安い分、資金面でのハードルは低くなります。

たとえ住宅ローンが無理でも、早い時期からマイホームの購入を目標に資金を貯めることで実現できる可能性は高まります。

また、中古住宅のすべてが『優良物件』ではないため、物件価格と建物の状態を見極める "知識と経験" も必要になります。

「購入資金を貯めながら、数多くの中古住宅を内見することで見識を広げる」
中古住宅を購入した私が今だから言える、非正規雇用の方でもマイホームの購入を実現することができる最良な方法です。

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