【購入前日談】購入に向け大金を準備する

決済日の2日前。物件購入のための現金を引き出そうと決めていた日。
家を購入するほどの大金を銀行から引き出すこと、そして自宅に保管し持ち歩くことも初めての経験でした。
今回は、そんな非日常的な2日間の出来事をお話します。
物件購入のため現金を引き出す
2019年4月4日を決済日とすることは事前に決まっていました。
性格上、余裕を持って準備を済ませておくことが常ですが、日数に余裕を持たせて生身の現金を長期間自宅に保管しておくことに抵抗があったため、今回は決済日ギリギリまで行動を控えていました。
4月2日。午前中に区役所にて転出届を取得。
平日の午前中にもかかわらず混雑しており、待合席で待機している最中も大金を引き出すことで頭がいっぱいでした。
区役所での用事を終え、自宅から最も近く大金を引き出せる窓口がある銀行へ向かいました。
いざ銀行窓口へ

ATMによる1日に引き出せる現金には限度があり、その上限は50万円まで。
普段であればATMのみの利用で済ませているのですが、今回は窓口による対面での現金の引き出しになります。
建物1階のATMには目もくれず、近くにいた銀行員に事情を説明すると2階へ案内されました。
2階へ上がってみると、ごく普通の窓口。
プライバシーに配慮した仕切りがある個室のような窓口を想像していましたが、よく見かける横長のカウンターに複数人の銀行員が作業している見慣れた光景でした。
入口近くにある番号札を取り、カウンター前の待合席にて待機。
混雑はしていませんが、10数人ほどの利用者が待合席で雑誌に目を通していたり、カウンター付近を行き来していました。
必要書類に記入
カウンター上にある電光掲示板に番号札の番号が表示され、いざ窓口へ。
銀行員に事情を説明した後、書類を渡され、カウンターから離れたところにあるスペースにて記入。
記憶が曖昧なため正確ではない可能性がありますが、確か「住宅購入が目的で現在無職」といった内容を記入した覚えがあります。
・氏名・現住居・生年月日など
・取引目的(引き出す理由)
・職業
記入し終えたことを銀行員に伝えた後、その書類と通帳・印鑑、運転免許証を預け、再度待合席へ。
・氏名・現住居・生年月日が確認できる本人確認書類
・引き出しに必要な通帳
・通帳作成時に使用した印鑑
現金受け取り

数分ほどして名前を呼ばれ銀行員と対面すると、先に通帳と印鑑、運転免許証が返されました。
それらを財布やカバンにしまっていると、銀行員の手元には帯封の札束と数十万円の束が。。
カウンターの位置が高く銀行員の作業スペースは低いため、銀行員の手元が待合席側から見えないようになっています。
しかし、個室ではないため「誰かに見られていないか」と、こちらは気が気ではありません。
その後、今回引き出した金額の確認を行い、無地でしっかりとした造りの紙袋に札束が入れられカウンターの上へ。
通常業務で大金を扱う銀行員にとっては普通の行為ですが、私はひやひやしっぱなしでした。
カウンターの上に見慣れない紙袋が置かれる。同時に背後や周囲に気を配り、緊張が走る。
その紙袋をリュックサックの中へ。その間も背後や周囲に気を配る。
銀行員は利用後の挨拶を行うも私の耳には届かず、一目散に出口へ。
視点は出口に向いていますが、無意識に神経は周囲へ向けられ、こちらを注視している人物がいないか探っていました。
階段を降り1階へ。そして建物の外へ。
その間も2階からついて来る人がいないか振り返るという念の入れようでした。
大金を携えての帰宅
銀行から家まで徒歩15分ほど。
駅の改札口に面してその銀行は建っていたため、帰宅時間ではないにも関わらず人通りが激しい。
銀行の自動ドアを通過し、一息つく。
そして一目散に自宅へ。
早歩きになっていたことはよく覚えていますが、リュックサックの肩掛けの右側には常に右手親指を引っかけていたことは今思い返してみても不思議な行動でした。
人混みの激しい駅前や商店街を抜け、閑静な住宅街へ。
それでも私の歩く速度は落ちませんでした。
大金と過ごす2日間

自宅に到着すると、まずは水を一杯。
改めて紙袋の中身を確認。その時は目視のみで安心したことを覚えています。
夕食を終え気分が落ち着いたころ、例の紙袋から中身を取り出す。
帯封付きの札束。帯封のつなぎ目には印鑑による割印。
しわのない新札の束を見ていると、何故か厚みを計測してみたくなりました。
新品の札束の厚みは約1cm。"100万円" = "約1cm" と記憶。
帯封の札束から1万円札を数え100枚あるか確認してみたり、積み木のように積み重ねてその厚みを実感してみたりと非日常的な状況から奇妙な行動を取っていました。
この2日間は外出せず、室内にこもりっぱなし。言わば大金を守るガードマンのような生活を送りました。
そして決済日当日を迎えるのでした。